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外壁・屋根塗装の保証の注意点

外壁塗装を行う際、保証がしっかり付いている業者は安心で信頼できると思われていますが、大切なのは、外壁塗装の保証とは、どのようになったときにどのような保証をしてくれるのかが問題です。
新築住宅の場合、メーカーが10年とか15年保証をしていますが、これはメーカーの施工に問題があり外壁に不具合が出た場合に限り保証されるのが普通で、それ以外は対象になりません。
外壁塗装業者の保証の場合も、施工不良による色むらや色あせ、剥がれなど、明らかに業者の責任で不具合が生じた場合のみの保証であって、自然災害や環境によって、また建物の構造によって外壁に生じた不具合(ひび割れなど)は保証の対象にはなりません。
中には長期保証しているから安心だとアピールしすぎるような業者もいますが、保証の年数だけでなく保証内容の確認が大切です。

保証の種類

塗料メーカーの保証

一部の塗料メーカーが一部の塗料に限り保証が付けられています。
塗装は完璧な塗料を使用しても施工する業者がメーカーの指示通りの塗装を行わなかったり、手抜きをしたりすると塗料の性能が発揮されません。
こういう理由からこれまではメーカーの保証はありませんでしたが、最近は認定施工店制度を設け、メーカーが施工店を審査し、認定された施工店が保証の付いた塗料を使用した場合にのみ保証される仕組みになっています。

自社保証

塗装業者が独自で保証しているため、保証内容はその業者によって違いがあります。
認定施工店が使用する特殊な塗料でなくても保証されます。
一般的な保証期間は、シリコン・遮熱塗料で7年~8年程度、フッ素塗料で10年程度が多いです。
屋根の場合は一番劣化が激しい箇所でもあるため、外壁よりも保証期間が短いのが一般的です。
保証内容は外壁のみの場合と、外壁・木部・金属部に分けてそれぞれに保証期間を設定している業者もあります。
実際は外壁塗装の剥がれなどは滅多にあるものではなく、あるとしたら木部や金属部が多いため、保証内容の確認は大変重要です。
しかし自社保証というのは、その業者が倒産してしまった場合は保証されません。
また「保証しています」と口で言っても、保証書を発行しない業者は、実質保証していないのと同じことです。
保証期間や保証内容の書かれた書類をしっかり確認しましょう。

塗装業界の団体や組織の保証制度

塗装業者やリフォーム業者が下記のような団体や組織に加盟している場合、利用できる保証制度です。
これらの保証は業者が倒産しても受けられるものもあります。保証期間や保証内容はそれぞれの団体・組合によって異なります。

建築産業専門団体連合会
「長期性能保証制度」
国土交通省が管轄する連合会の保証制度。所属事業者は60,000社以上(塗装業者・リフォーム業者を含む専門工事の業者)と多くの事業者が加盟しているため、保険料が安いのが特徴。
この保証は、業者のミスによって塗装後に不具合が生じた場合、補修によって発生した費用の補償ということで、費用の全額を保証されるものではありません。
また業者の施工に問題がない場合はこの保証は受けられません。
日本塗装工業会
「ペインテナンス」
日本で唯一の全国的な塗装工事業者、2,350社の団体からなる保証制度。
外壁塗装を依頼した業者が加盟している場合、品質保証書が発行され、記載されている通りの保証が受けられます。
保証期間や保証内容は、塗装箇所・素地の種類・塗料の種類によって細かく定められているため、しっかり確認しておきましょう。
日本マスチック事業協同組合
連合会
全国で450社からなる組合です。
マスチックという塗材を用いローラーで施工する工法を教え、資格を与える団体が行っている保証制度。
当初の保証は、マスチック塗材を用いた工事に限定されていましたが、近年は組合員が施工する工事全般が保証されています。
保証期間や保証内容は塗料の種類や塗る素地の種類によって施工主と塗装業者の間で決定されます。

第三者機関の保証は消費者が満足できる保証内容ではないかもしれませんが、塗装業者の施工内容を、第三者の目でチェックされることになるため安心に繋がります。

外壁塗装の保証は本当に安心なのか!?

外壁塗装の保証というのは、一般的に外壁のみの保証が多く、木部や鉄部に保証が付いていないことが多いのが現実です。
また、仮に付いていたとしても2年程度です(少々雑な施工でも2年程度はもつ)。
さらに、外壁においても施工ミスや手抜きによる不具合だと明確にわかるものにしか保証されていません。
考えてみれば外壁塗装の保証というのはあってないようなものなのです。

近年は塗料の性能が優れているため、塗料メーカーの指示通り施工していれば、メーカーが提示しているそれぞれの耐用年数程度は充分にもつはずです。
それを敢えて保証ばかりを声高にアピールする業者にはかえって注意が必要です。
本来は、「何かあれば保証がある」ではなく、「耐用年数は不具合が生じない」ということが重要なのです。
保証内容のチェックは必要ですが、工事内容の説明などを聞き、作業内容をしっかりチェックすることが最も重要です。
そのためにも、ある程度の塗装の知識は持っていた方が望ましいでしょう。